防災・減災を考える

被災した経験を知らない方々に情報を共有すること

お墓が心配に

地震の後、家の周りの事が片付いたら、お墓を見に行きました。

山の上にあるのですが、燦燦たる状態でした。今の墓石は、三段でも、倒壊しないように、真ん中に鉄芯が入っていると思いますが、それが入っていないので、ずれていたり、落下しているものも。

 一段目がずれて、コンクリートのマスの中が見えています。かわいそうに骨がさらされていました。三段だと200~300kgはあるでしょうか。

 こんな大変な中で、お寺から頼まれたのか、墓石職人さんが二人。手回しクレーンを使って、崩れ落ちそうな場所の石を移動させてました。うちも頼めないか聞いたら、まだ、お客さんの要望を聞く余裕はないとのことでした。

 一段目が落ちないように、二段目の中心に何とか動かせましたが。三段一緒にコンクリートのマスの上に動かそうとしても、びくともしません。
 
 汗だくになって色々と手を尽くしていたら、職人さんがきて、教えてくれました。簡単に説明すると、小さなバールを使います。これで、墓石の下に差し込み、何回も上下させて振動させると、動かしたい方向にもっていくことができました。小さなバールひとつで、あの重い三段墓石を、自由に動かせることができ、すぐににコンクリートマスの上に移動できました。

 それから、灯籠も崩れていたので、一つひとつ部品を拾って、持ってきたコンクリート用ボンドで修復しました。灯籠って、ただ積まれていたのかもしれません。全部コンクリートボンドで接着したので、今後は崩れ落ちはしません。

 墓石は、正しい位置に戻っても、また余震がくると同じようになると思い、外壁用コーキングで、下の石と上の石の隙間に、得意の手でなぞります。

 我が家の墓地内に、よそ様の一段目の石が逆さに倒れていましたが、いくらなんでも、持ち上げることもできませんので、そのままでした。

 その後、4月7日の大きな余震では、我が家の墓石は何ともありませんでしたが、他の墓石は、前より酷い状況になっていました。

 こういう光景を見ていると、墓石の家族が、遠方にいるか、高齢化しているか、もう誰もいないかでしょう。

 しばらくしてから、お寺の和尚さんから、我が家の敷地に入っている墓石を戻したいから、中に入ってもいいですかと確認の連絡があり、どうぞと答えました。飾り石が、そのよそ様の墓石で折れてしまいましたが、もはや弁償とかそういう次元の話ではないですね。その墓石は欠けや傷だらけのまま、元の場所に戻されました。

 1,2年して、新しくした墓石もあれば、倒れたままのもの、造成からやり直したもの、元に戻したが、傷だらけのものと様々でした。

 それから数年経って、撤去されて無縁仏に積まれた墓石も結構ありました。

 ちょっとした工夫で、なんとかなるものですね。あくまで素人工法ですので、もし参考にされる場合は、自己責任でお願いします。